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D社様導入事例detail04

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磁気シールドボックス 製品名:2層磁気シールドボックス(MSC)
納入日:2020年1月
納入場所:電子部品メーカー様
室内寸法:W=1.2m、D=1.2m、H=1.2m
実績性能:静磁界 1/869(シールドの方位による)
     ※当社での社内測定実績

お客様のご要望

 

磁気シールドボックスとしては、大きいサイズのものをご依頼いただきました。ただ、従来のシールドボックスの設計でこの大きさに対応するには、諸所の問題点がありました。

【従来の磁気シールドボックスの提案と問題点】
・ワンアクションで開閉できるように1枚扉の設計をする。
→扉が大きく開放時にスペースをとるほか、扉1枚あたりの重量が重くなってしまう。

・シールドが2層構造なので、扉も2層構造(2枚扉)にする。
→扉が大きいため、扉の開閉が2回でも大変になってしまう。

・扉の密閉固定方法は、従来のクリップ式とする。
→クリップで扉を何箇所も止める必要があり、開閉に時間がかかってしまう。

導入事例

オータマからの提案・成果





問題点をお客様に伝えたところ、扉の開閉の使い勝手を良くしてほしいとのご要望をいただきましたので、こちらから以下の4点を提案しました。

1)観音開きにすることで、扉1枚あたりの軽量化する
2)シールドが2層でも、扉は2層一体型構造にし、開閉を1度で行えるようにする
3)扉の片側(右側)だけを開閉をできるようにする
4)取手はワンタッチで開閉できるものに変更し、片手で開閉が行えるようにする

これまで当社では、観音開き扉を用いた多層構造のシールドボックスを設計した実績がなく、今回が初めての試みでしたが、当社で取り扱っているパネル式磁気シールドルームに採用している2層構造を一度に接触できる扉構造を参考に検討し、観音開き扉にしました。

扉を板金製作にすることでコストを抑えることができましたが、重量が重くなるため、スムーズに稼働する蝶番が必要でした。生体磁気用のシールドルームで実績のあった重量用蝶番を用いることで、求めていたスムーズな稼働を可能にしています。

扉の密閉固定方法は、クリップ式だとシールド性能を高めるための接触に対しては有用ですが、使い勝手という点ではほど遠く感じました。加えて「右の扉の持ち手部分を左の扉よりも大きくしたい」という要望もあったため、業務用冷蔵庫などに使用されているロックも一括で行えるハンドルを採用しました。使用実績はありませんでしたが、設計検討を十分に行った結果、性能を確保しつつ、僅かな力で開閉でき、片手に何かを持っていた場合でも簡単に開閉が行えます。提案通りの使い勝手となりました。


※オータマでは、過去の実績やシミュレーションの結果から、お客様の要望に沿ったシールドルーム、シールドボックスを製作することが可能です。細かなオーダーにも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

納品後のお客様の声

2重扉で重いにも関わらず、1つの動作で開けることができるので作業性が高く、しかも、重量物ですが容易に移動できるようにキャスターを付けていただいているところに満足しています。ただ、ワンタッチで扉にロックがかかるため、仮にシールドボックス内部で作業をした場合に簡単に閉じ込められてしまう可能性がありますね。今後は、磁気特性との兼ね合いがありますが、場合によっては内部の様子をみる覗き窓が有用かもしれません。

オータマ担当者の回答

ご要望の磁気性能を十分に満たすことができ、お客様にもご満足していただけたので安心しました。閉じ込め防止や覗き窓は、当社でも実績があり対応可能です。お客様からいただいた声を真摯に受け止め、より良いモノづくりを行っていきます。
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