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パーマロイとはwhats

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パーマロイの見た目と能力

パーマロイはニッケルNiを35~80%含むニッケル‐鉄合金であり、板や棒、塊などほかの多くの金属と同じくいろいろな素材の姿で供給されています。見た目はステンレスや鉄と大きな違いはありませんが、磁気を強く引き付ける特殊な性質を持っています。

Fe-Ni合金=パーマロイ

パーマロイのFAQ

パーマロイの正式名称は?他の呼び方は?パーマロイって略語?

パーマロイは通称ですが、世界的に通用する名称です。軟磁性材料の特に、ニッケルNiを35~80%含むニッケル‐鉄合金の総称です。

1914年、ベル研究所のG.W.Elmenが、鉄Feとニッケルの合金でケイ素鋼(電磁鋼板)より優れた高透磁率の合金を発見、これをパーマロイ(Permalloy:透磁率permeabilityと合金alloyをかけた名前)と命名したのが最初です。

さらに1923年、Elmenはこのパーマロイを熱処理することで、透磁率を飛躍的に向上させられることを発見。当初はFe-Ni2元系でしたが、今日に至るまで幾多の改良・改善がなされ、モリブデンMo、銅Cu、クロムCr等を含む多元系のPCパーマロイは最大(比)透磁率200,000を超える磁気特性を有します。材料メーカーによって多くの種類があります。

正確な名称は日本工業規格JIS C 2531における「鉄ニッケル軟質磁性材料」で、このJIS C 2531は 国際電気標準会議のIEC 60404-8-6同じく60404-6を元にしています。

欧州・米国の一部メーカーによって使用されている名称にMumetalがありますが、本来はCu添加型、CuーCr添加型の80Ni系に名付けられたものですが、拡張して使われており、ほとんどPCパーマロイと同じと見て差し支えありません。

パーマロイは何に効果があるの?

パーマロイは、低保磁力かつ高透磁率であることから、前掲のように、
(1)磁気シールド効果が高いこと、集磁作用が大きいこと
(2)微細な入力(磁界)対比で出力(磁化)が大きいこと
(3)交流の抵抗(電圧と電流の比)を高める効果
などがあります。

(1)は磁気シールドルーム、磁気シールドチャンバー、磁気シールドケースなど、(2)は磁気センサーなど、(3)は各種インダクター(コアに巻線を施したコイル)に応用されています。

なお、周波数は1Hzやそれ以下の極低周波数から、商用周波数→200Hzまでの比較的低い帯域で有効です

その他FAQ

Q.パーマロイの透磁率は?

Q.パーマロイは着磁・帯磁しますか?

Q.パーマロイは磁気を反射する?

Q.パーマロイは錆びますか?

Q.パーマロイは錆びると性能の劣化がありますか?

Q.パーマロイのグレードや使い分けは?その組成は?

Q.パーマロイの導電率は?

Q.パーマロイの板厚は何ミリからありますか?大きさは?

Q.パーマロイの機械的性質は?

Q.パーマロイって叩いちゃいけないんですか?

Q.パーマロイの熱処理をした場合としない場合の性能差はどれくらい?

Q.パーマロイは電磁波もシールドできますか?

パーマロイ製品の導入検討等で、パーマロイの特性や磁気シールド性能を確認したいという方に向けて、手軽にお試しいただける磁気シールドキットを用意しております。ぜひご活用ください。
また、技術情報ページでは、パーマロイの磁気シールド効果を紹介した解説動画を多数公開しております。こちらも併せてご覧ください。


パーマロイの透磁率

実は、買ってきたばかりのパーマロイの素材は大した性能は持っていません。持っている能力を引き出すためには磁性焼鈍という加熱処理が必要です。1000℃以上の熱の中でパーマロイは本当の能力に目覚めます。 見た目はあまり変わりませんが、一度熱処理されたパーマロイは磁気特性が飛躍的に向上します。

加熱処理イメージ

磁性材料の比較一覧

一般名称 初(比)透磁率 最大(比)透磁率 最大磁束密度 保磁力
78%パーマロイPC 60,000 180,000 0.72T 0.8A/m
45%パーマロイPB 5,000 50,000 1.55T 12A/m
電磁軟鉄SUY 13,000 1.65T 50A/m
冷間圧延鋼SPC 5,500 1.3T 90A/m

熱処理のFAQ

パーマロイは熱処理が必要?なぜ熱処理するのですか?

パーマロイは、熱処理されることによって、磁気的性質、機械的性質がコントロールされます。高い透磁率を引き出すための磁性焼鈍と加工性を高める歪取り焼鈍があります。

磁性焼鈍は、磁区(磁化の単位である原子の磁気モーメントの向きのそろった小区域のこと)の動きの妨げになるものを除去し、外部磁界による磁壁の移動、磁区の回転を容易にして、軟磁性の向上、とりわけパーマロイの最大の特徴である高い透磁率を引き出すために不可欠な処理です。1,000℃以上の高温で、還元性の水素雰囲気で実施されます。オータマ製品のほとんどが磁性焼鈍状態で出荷されます。

歪取り焼鈍は、再結晶温度以上の加熱で再結晶することにより、加工履歴、熱履歴による残留応力を除去して機械加工や塑性加工をし易くする処理です。磁性焼鈍よりは低い温度でなされます

水素焼鈍するのはなぜですか?

水素には還元作用=脱酸素の作用があります。すなわち、材料表面の酸化皮膜や内部の微細酸化物の(不純物としての)酸素を水素と結合させて除去し、材料を清浄化します。

これにより、特に低周波での磁壁移動、磁区の回転を容易にし、軟磁性の向上を図ります。

MmOn(金属酸化物)+nH2(水素)→mM(金属)+nH2O(水蒸気)の反応が進み、脱酸されます。

また、加熱および冷却時に処理品に効率よく熱を伝えるための熱媒体としても水素は有効です。

その他FAQ

Q.パーマロイは熱処理が必要?なぜ熱処理するのですか?

Q.水素焼鈍するのはなぜですか?

Q.どんなサイズ、形状の熱処理ができるの?

Q.パーマロイのキュリー点は何度ですか?

パーマロイの用途 / 磁気シールド

高い磁気特性を利用して、磁気ノイズに弱い精密機器などを守ります。

製品画像

電子顕微鏡などの装置を部屋ごとシールド

製品画像

機器に組み込まれる部分シールド

パーマロイの用途 / コア

高い磁気特性を利用して、センサーやトランスのコアに使われます。

製品画像

各種センサー・トランスのコア

 
 
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